「そういえば、ピアノといい英語といい、どこで習ったの?」
「うちの母さん、ピアノ教室開いてたんだよ。それで小さい頃散々たたき込まれた。ってかあれ絶対息子に教えさせて自分は楽しようって考えだったな今思えば!!」
「英語はおじさん譲りだったな」(軽く無視)
「え?深宇くんのお父さん、外国の人?」
「や、超純粋の日本人だけど。朝からご飯とみそ汁食ってるし」
「いいなぁー、朝から和食。パンってちょっと食べにくいんだよねぇ……ってはぐらかされた!?」
「社長さんだよ、外国向けにフレグランス作ってる会社の」
「あ」
「え…えぇーー!」
「……それほど驚くことでも」
「だって、だって!深宇くんお坊ちゃまには見えない!!」
「お坊ちゃまって……そんなものじゃないよ、小さい会社だったし」
「過去形だな」
「え、うそ。今はすごいトコなの?」
「ああ。最近じゃ日本にも手をのばしてるらしい。大人向けだから少々値は張るが、三つ四つもらったことがある」
「うわーすごいじゃない、深宇くん!」
「別に自分自身がすごいわけじゃないけどね」
「しかも若くして父親の企業大きくするほどのやり手で、彼と取引するといつも向こうのいいように契約させられる、というのがもっぱら噂だ」
「どこの噂だよ!」
「それなのに彼には恨めない何かがある、とも」
「はわーー。すばらしい人なのねぇ」
「…………いつもそうだったら、そうなのかもしれないけど」
「へ?」
「あの人、どっかにスイッチがあるみたいでさ。仕事モードの時はかっこいいんだけど、何あの仕事モード解除したとたん。気さくって言うの?なれなれしいって言うか鬱陶しいっていうかむしろうざい?自分の子ども見たとたん仕事の時でもかまいもせず家庭モードに入るのやめてくんないかなあれ。見てて超はずいんだけどってか高校生の息子にキスしてこようとすんのはマジでやめて欲しい!うぎゃーっ!!」
「と、このようにこいつも、家族の話になったとたんスイッチ入るから、あまりしないほうがいいぞ」
「……大変なのねぇ」










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